可変情報印刷とは
シールやラベルの印刷は、通常は「同じものを大量に刷る」仕事です。版をつくって、同じ絵柄を必要な枚数だけ刷る。 1枚ごとに文字を変えたいとなると、従来は枚数分だけ版や設定を用意するか、印刷したあとに人の手で書き込む・貼り足すしかありませんでした。
可変情報印刷は、その前提を変えます。共通のデザインを土台にして、変えたい部分だけをデータから差し込みながら印刷する。 番号を1ずつ繰り上げる、リストに並んだ名前を順番に流し込む、1件ごとに違うQRコードを生成する ── どれも、印刷を止めずに連続して処理できます。
出てくるのは、1本のロールに整然と並んだ「全部違うシール」です。100枚あれば100種類、1000枚あれば1000種類。 それでも作業としては1回の印刷で、枚数が増えても人の手間はほとんど増えません。
動画で見る
実際に刷っているところです。同じ絵柄のまま、吹き出しの中身と番号だけが1枚ずつ入れ替わっていきます。
可変情報印刷でできること
1枚ずつ、中身が違う
プリンターから最初に出てきた1枚には「このシール 1枚ずつ内容が違います!」と刷られています。そして次の1枚には、まったく別の文章。 デザインの枠もキャラクターもレイアウトも同じなのに、吹き出しの中身だけが入れ替わっていきます。
これが可変情報印刷の基本動作です。共通部分は固定したまま、可変部分だけをデータから流し込む。 文字数が違っても、行数が違っても、そのまま連続で印刷されます。
隣り合う2枚が、もう別物
同じ紙の上で上下に並んだ2枚を見ると、違いがはっきりわかります。上は「人の手では大変な 一枚一枚の印字」、下は「シールのことなら 可変印字のことなら」。 切り離す前の状態で、すでに別々の内容になっています。
印刷後に何かを追加したのではなく、最初からこの並びで出力されています。並べ替えも、選別も必要ありません。
連番・ナンバリング
もっとも使われるのが連番です。「連番プリント あなたの番号は 1」から始まり、2、3、4……と数字だけが1ずつ繰り上がっていきます。
開始番号も、増える幅も、桁数の揃え方(0001, 0002 のようなゼロ埋め)も、データ側の指定どおりに出力できます。 通し番号の管理表をそのまま渡していただければ、その順番のまま印刷します。
途切れず、順番のまま並ぶ
排出されたシールを横から見ると、8・9・10・11・12 と番号が抜けも重複もなく一列に並んでいます。 ロールのまま巻き取れば、この順番が保たれたまま納品できます。
貼る作業を機械で行う場合も、この並び順がそのまま活きます。番号順に貼っていきたい用途では、印刷の時点で順番が決まっていることが大きな利点になります。
QRコードを、1件ずつ違うものに
文字だけではありません。QRコードも1枚ごとに違うものを生成できます。 値の一覧をお送りいただければ、そこからQRを作って印字します。コードの画像を1枚ずつご用意いただく必要はありません。
URLの末尾だけが1件ごとに変わる形にも対応できます。個体ページへの誘導、キャンペーンの応募コード、真贋確認の照会先など、 「読み取った先を1つずつ変えたい」用途にそのまま使えます。誤り訂正レベルも用途に合わせて選べます。
バーコード(JANコード)も可変で
JANコードなどのバーコードも、数字の一覧から生成して1枚ずつ変えられます。 末尾のチェックデジットは計算して付けますので、いただく表には計算前の桁までで構いません。
商品ごとに違うJANを刷り分ける、個体ごとの管理番号をバーコード化する ── といった使い方ができます。 ただし「刷れる」ことと「読める」ことは別です。コードの寸法、素材、インキ、読み取り機の条件によって読み取りやすさは変わるため、 量産の前に必ず実物での読み取り確認を行います。
写真・イラストの差し込み
可変にできるのは文字とコードだけではありません。写真やイラストも1枚ずつ差し替えられます。 画像の一覧と、どの行にどの画像を使うかがわかる表をお送りいただければ、その組み合わせで出力します。
商品ごとに写真が違うラベル、個体ごとの現物写真、キャラクター違いのノベルティなど、 「絵柄そのものが1枚ずつ違う」印刷物も1回の印刷で仕上がります。
こんな使い方ができます
ノベルティに、お客さまの名前を
数字だけでなく、文字も可変にできます。ノベルティや記念品に1人ずつ名前を入れる、参加者リストからそのまま個別のシールをつくる ── 名簿データをいただければ、その並び順で出力します。「特別感のあるものを配りたいが、手書きは数が多すぎて現実的でない」という場面に向いた使い方です。
シリアル番号で、商品管理
製品1つひとつに固有のシリアル番号を割り当てれば、出荷後の追跡や真贋確認の手がかりになります。バーコードやQRコードも1枚ごとに違うものを生成できるため、読み取りによる管理システムとそのまま接続できます。在庫管理、ロット管理、保証書番号など、「個体を区別したい」場面全般に使えます。
当選シール・席次表・宛名ラベル
キャンペーンの当選シール、イベントの席次表、DMの宛名ラベル。いずれも「1枚ずつ違う」ことが前提の印刷物です。当たり外れを混在させる、席番号を割り振る、住所録を流し込む ── 内容の性質は違っても、可変情報印刷としては同じ仕組みで対応できます。
仕上がり
左から QRコード、バーコード(JAN)、写真、連番、文章。
どれも同じ下地のシールで、変えているのは流し込んだデータだけです。
ロール給紙のデジタルラベルプリンター
巻き取り側までロールで通しているため、長い連番を途中で止めることなく連続して印刷できます。
版を持たないデジタル方式のため、内容を変えるたびに版をつくり直す必要がありません。 これが「1枚ずつ違っても負担が増えない」理由です。
Free Tool
可変データがどういうものか、無料のツールで先に試せます
「連番工房(連番・可変情報PDFメーカー)」を無料で公開しています。 テンプレートのPDFとCSVから、連番・可変QR・JANコード・写真差し込みを含む印刷用PDFを、ブラウザだけで作れるツールです。 登録は不要で、読み込んだデータが外部に送信されることもありません。 どんなデータを用意すればよいかを、実際に手を動かして確かめてからご相談いただけます。
仕様・ご依頼にあたって
| 可変にできるもの | 連番・ナンバリング/シリアル番号/名前・宛名などの文字/日付・ロット番号/QRコード/バーコード(JANコードなど)/写真・イラスト |
|---|---|
| 連番の指定 | 開始番号・増加幅・ゼロ埋めの桁数・前後に付ける固定文字。いただいたデータの指定どおりに出力します |
| 入稿データ | 可変させたい内容が並んだ表(Excel/CSV)+共通デザインのデータ。番号の範囲、名簿、コードの一覧など、お手元の表のままで構いません |
| 得意なロット | 10,000枚以上。100枚からのご相談も承ります(枚数が増えても1枚ごとの手作業が発生しないため、まとまった数量ほど効果が出ます) |
| 仕上げ | ロール巻き取り。順番を保ったまま納品できます。シール貼付・袋詰めまで一貫してお引き受けできます |
| 印刷方式 | ロール給紙のデジタルラベルプリンター(版を持たないデジタル方式) |
可変データをシールにするには、印刷機やラベルの加工方法それぞれの制約がかかります。 ロール上での並び順、面付けやカットの都合、印字できる位置・文字サイズ・桁数、素材やインキとの相性などによって、 ご希望どおりの仕上がりにならない場合があります。 バーコード・QRコードについては、刷れることと読み取れることは別です。 寸法・素材・インキ・読み取り機の条件によって結果が変わるため、量産の前に必ず実物での読み取り確認を行います。 実現できるかどうかは条件によって変わりますので、詳しくはお問い合わせください。
ご依頼の流れ
ご相談
可変させたい内容・予定枚数・サイズ・貼る対象をお知らせください
データ確認
共通デザインと可変データ(表)を確認し、実現できる形をご提案します
試し出力・校正
実物で仕上がりを確認。コードを使う場合は読み取りもここで確認します
本番印刷
順番のまま連続出力。数量と内容を照合してから仕上げに回します
仕上げ・納品
ロール巻き取りで納品。シール貼付・袋詰めまでご依頼いただけます
※ 掲載している写真・動画は、当社のキャラクター「にこまる」のカードを題材に、実際に可変情報印刷で出力したものです。
よくあるご質問
連番はどこまで指定できますか?
1枚ごとに違うQRコードやバーコードも印刷できますか?
名前や写真を1枚ずつ変えることもできますか?
データはどんな形式で渡せばよいですか?
何枚から頼めますか?
デザインどおりの仕上がりになりますか?
自分で試せる方法はありますか?
「1枚ずつ違う」を、まとめて刷ります
創業1969年、東京・西東京市でシール・ラベルひと筋。 番号の範囲でも、名簿でも、コードの一覧でも、お手元にある表のままお送りください。実現できる形をご提案します。