まずは動画で、印刷の流れを
白の下地から色が一枚ずつ重なり、フルカラーのラベルになっていく様子。実際の印刷機が動いている現場の映像です。
「止めて・送る」を繰り返す
間欠送り凸版輪転印刷機
当社の印刷機は、フィルムを一定量ずつ「止めて・送る」間欠送りを繰り返しながら、1ユニット=1色で版を重ねていく凸版輪転印刷機です。透明・銀のフィルムにまず白を下地として刷り、その上にシアン(青)・マゼンタ(赤)・イエロー(黄)・ブラック(墨)を重ねることで、写真のようなフルカラーを再現します。
各色の直後にはUV(紫外線)ランプがあり、刷ったインキをその場で瞬時に硬化させるため、次の色を重ねてもにじみません。印刷後はフラットダイ(平抜き)でラベルの形に打ち抜き、不要なフチ(カス=スケルトン)を巻き取って分離し、台紙の上にきれいに並んだラベルロールが完成します。
こうした機械が自動で追い込む「見当合わせ」を、職人が手で、ミクロン単位まで追い込む世界もあります。➡ コラム「肉眼では、わからない。― 凸版平圧印刷という仕事」
10ステップで見る印刷工程
1本のロールが、フルカラーのラベルロールに仕上がるまで。各工程の写真と、色が重なる瞬間の動画でご紹介します。
原反(ロール)セット
印刷の出発点は、ロール状に巻かれた原反フィルムです。透明または銀色のフィルムを機械の最上流にセットし、ここから連続的に機内へ送り出します。一定量ずつ送っては止める「間欠送り」が、この印刷機の基本動作です。
印刷ユニットへ給紙(インフィード)
原反から引き出されたフィルムは、張力(テンション)を一定に保ちながら最初の印刷ユニットへ入っていきます。この給紙部で送り量と見当(印刷位置)の基準が決まり、以降のすべての色がこの基準に合わせて重ねて刷られます。
白インキ(下地)
最初のユニットで刷るのは白インキです。透明・銀のフィルムはそのままだと裏が透けて発色が悪いため、下地(ベース)として白を全面に印刷します。この白があることで、後から重ねるカラーが鮮やかに見えます。白を含めて5色を一度のラインで刷れるのが、当社の構成の強みです。
シアン(C・青)
白の上に2色目のシアン(青)を重ねます。フルカラー印刷はシアン・マゼンタ・イエロー・ブラックの4色(CMYK)の網点を重ねて色を再現します。まずシアンの版が刷られ、絵柄の青い部分が現れ始めます。
マゼンタ(M・赤)
3色目はマゼンタ(赤)。インキローラーが赤く染まったユニットで、シアンの上にマゼンタを重ねます。2色が重なることで紫や赤系の色が生まれ、絵柄が一気にカラーらしくなります。
イエロー(Y・黄)
4色目のイエロー(黄)を重ねます。シアン・マゼンタ・イエローの3色が揃うことで、肌色・緑・オレンジなどの中間色まで再現でき、絵柄がほぼ完全なカラーになります。
ブラック(K・墨)/フルカラー完成
最後にブラック(墨)を重ねます。文字や輪郭、暗い部分が締まり、CMYK+白の全色が揃ってフルカラーのラベルが完成します。各ユニットの直後にあるUVランプで、刷ったインキはその場で瞬時に硬化しています。
仕上がりラベル(フルカラー)
全色を刷り終えたフィルムには、完成品と同じ鮮やかな絵柄が連続して印刷されています。写真の高精細な絵柄も、4色の網点の重ね合わせだけで表現されています。
平抜き(フラットダイ・刃)
印刷が終わったフィルムは加工部へ進み、平抜き(フラットダイ)でラベルの形に打ち抜かれます。壁に掛かっているのが抜き型(刃型)で、刃がフィルムに入って製品の輪郭をカットします。下の台紙(ライナー)は切らず、ラベル部分だけに刃を入れるのがポイントです。
カス(スケルトン)巻き取り
抜き終わると、ラベルとして残す部分以外の余分なフチ(カス=スケルトン)が網目状につながったまま分離され、巻き取りロールへ巻き取られていきます。台紙の上にはきれいに抜かれたラベルだけが等間隔で残り、これを製品ロールとして巻き取って完成です。
この先のカット仕上げについては専用ページで詳しく解説しています。袋詰め(個包装)のページも順次公開予定です。
※ 色順(白→シアン→マゼンタ→イエロー→ブラック)は一般的なラベル印刷の構成例です。実際のユニット構成・色順は製品により異なります。動画・写真は元映像から無加工で切り出しています。
この設備だからこそ、
安心して任せられる理由
色ズレを許さない見当制御から、印刷直後のUV硬化、後加工までのワンパス化まで。数値で語れる品質の根拠をご紹介します。
蛇行修正装置 ─ クロス方向の版ズレを防止
走行するフィルムの左右への蛇行(クロス方向のブレ)を、エッジセンサとウェブガイドが検知して自動で修正。フィルムが横にずれることで起きるクロス方向の見当ズレを抑え込みます。
ARCS 自動見当制御 ─ 送り方向のズレを1枚ごとに補正
カメラとストロボ照明で印刷1枚ごとに見当マークを撮影・測定し、送り(流れ)方向のズレを検知すると各ユニットのサーボモータを自動補正するクローズドループ制御。サンプリングではなく全数監視で、見当ズレ履歴の記録(OK/NG・PDFレポート)まで残せます。
3kW UV硬化 ─ 照射と同時に瞬間硬化
各印刷ユニットに紫外線硬化(UV)装置を搭載し、UVインキを照射と同時に瞬時硬化。フィルムなどインキが乾きにくい非吸収素材でも、にじまず次の色を重ねられます。運転速度に応じてUV出力を自動で段階切換します。
5色構成 ─ 白+CMYKを一度のラインで
印刷ユニットを5色に拡張しているため、透明・銀フィルムの白下地と、フルカラー4色を一度の通しで重ねられます。白を別工程に分けないことで、見当が安定し、ロスと手間を抑えられます。
最高30m/分の高速印刷
最高30m/分の高速運転に対応。各ユニットの版胴を独立したサーボモータで駆動するセクショナルドライブ方式により、速度を上げても見当をユニットごとに独立して追い込めます。
インライン後加工 ─ 型抜きまでワンパス
印刷した素材を機上でそのままフラットダイ(平盤打抜き)でラベル形状に型抜きし、カス取り・巻取りまでロール to ロールで一気に処理。型抜きを外注に出す必要がなく、工程間の受け渡しによるロス・納期・品質のブレを圧縮できます。
「勘や経験」ではなく、数値で再現する品質
見当合わせはタッチパネル上で0.01mm刻みのデジタル微調整が可能。印刷条件(ジョブ)を保存・呼び出しできるため、リピート品でも見当出しをゼロからやり直す必要がありません。ロットが変わっても同じ仕上がりを、数値で再現します。
印刷機の主な仕様
| 印刷方式 | 間欠送り凸版輪転(樹脂凸版/UV硬化) |
|---|---|
| 印刷ユニット数 | 5色(白+CMYKを一度のラインで重ね刷り可能) |
| 印刷速度 | 最高30m/分 |
| 見当制御 | 蛇行修正装置(クロス方向)+ ARCS自動見当制御(送り方向・全数監視)/タッチパネルで0.01mm刻みのデジタル微調整 |
| 駆動方式 | セクショナルドライブ方式(各ユニット版胴を独立サーボ駆動) |
| UV硬化装置 | 各ユニットに紫外線硬化装置を搭載(照射と同時に瞬間硬化/速度連動の出力制御) |
| 対応素材 | 透明PET・銀・ユポ・上質紙・和紙 ほか(粘着ラベル原反に対応) |
| 後加工 | フラットダイ(平盤打抜き)+スケルトン巻取りをインラインで実施 |
| 製造元 | 株式会社三條機械製作所(新潟県三条市) |
※ 仕様は構成により異なります。ARCS・UV・フラットダイ等は構成・オプションにより搭載が異なります。見当精度に関する数値は取扱説明書の記載・実測サンプルに基づく目安であり、保証スペックそのものではありません。
よくあるご質問
凸版印刷とはどんな印刷方式ですか?
透明フィルムにもきれいに印刷できますか?
多色印刷の色ズレ(見当ズレ)が心配です。
印刷から型抜き(カット)まで頼めますか?
印刷のご相談は、半世紀の現場を持つニコーへ
透明フィルムのフルカラー、白押さえ、見当の難しい多色物まで。「この絵柄、きれいに刷れる?」というご相談から承ります。